江戸時代に「紋章上絵師」という職人が登場し、デザイン性と種類が一気に広がりました。 主流、支流、一問一党とひろまり、原型を保ちながらも微妙に変化し継承されていく家紋。 時代とともに同系の子から孫といった図案が次々とデザインされていきます。この積み重ねが多彩な家紋として生まれました。
家紋を調べると祖先のルーツが垣間見えることがあります。
どうしてこの地に来たのか、どうしてあの家が分家なのか、など。
調べてみると楽しいものです。
大切に継承されている家紋がどこに保管されているかご存じでしょうか。
これでは保管した場所さえも忘れてしまい、気がつけば「我が家の家紋は何だっけ!?」と、
家紋不明になってしまう事も。
実際、当店へのお問合せで「家紋が分からない」というお客様が増えています。
しっかりと家族が見れる場所に飾り、 家系の誇りと祖先への感謝を込めて「額」として飾られることをお勧めしています。
家紋継承の役割を担うと同時に、「先祖を敬う」意味合いも含まれています。
きっとご先祖様は、この家紋の元、子孫繁栄を願われながら懸命に生きてこられたのではないでしょうか。
日本では先祖供養の一環として「お墓参り」が習慣として私達の心に浸透していますが、額を飾る事はこれと同じだと感じています。
私も困ったことや嬉しいことが合った時にはお墓参りをして報告しています。
家紋額を飾ることで家紋継承と先祖供養の2つがが両立できます。
ご先祖様を供養することで運気が上がることは色んなメディアで報じられていますが、家紋額もその一つです。
きっとおじいちゃん、おばあちゃんが見守ってくれています。そのまたおじいちゃんおばあちゃんも。
ご家族や周囲の人々が健康で幸せに過ごせますように、
また家業が災い無く益々栄えますように、と。
家紋の歴史はいつから始まったのか。また何のために発展してきたのか。
あの日本独特のデザインは世界からも注目を浴びています。
しかし残念ながら現在の日本人の知識の中に「家紋」に関する記憶は欠しいのではないでしょうか。ここで簡潔にではありますが「家紋歴」を述べてみます。
まず、家紋の発生ですが、これは定かではありません。藤原時代とも、戦国時代とも言われています。ただ、何のために発展しつづけたのかは少しずつ解明されてきているようです。
時は戦国時代初期、敵と味方の区別がつかず、同士討ちなど混乱した戦(いくさ)があったようです。 このため、自軍を示す模様を作り出しました。 戦人たちは自分の防具や武器、いろいろな物にこの「模様」を施し、敵味方の区別をしていきました。 同時に、自分の在籍する「軍」に誇りと自覚をもつ意味合いもあったようです。お察しの通り、この「模様」こそが「家紋」の原型だとされています。
戦乱の世 やがてこの模様は軍の中でも多様化していき、様々な家紋が生まれていきます。
徳川家康・豊臣秀吉・織田信長・毛利元康・・・ 有名な武将達は各々の独自の家紋を抱き、戦場で戦っていきました。このように家紋の発生というのは、敵と味方を区別することが最大の理由だと考えられます。
しかしながら、一般の民に家紋は許されず、武家にしか家紋はつける事ができませんでした。 一般の民に家紋をつけることが許されるのは戦国時代後期ぐらいからだといわれています。当初、一般の民たちはこぞって家紋をつけ始め、牛馬や衣類、様々なものに家紋を施していきます。
まだ家紋の種類が少なかったこの頃は大変ユニークな家紋もあり、家紋歴の中で種類・広まり方など、一番ブレイクした時期だといえます。 ここで家紋を描く「紋章上絵師」という職業が大変賑わい、家紋のデザインも一気に向上していきます。
簡潔に歴史を振り返ってみましたが如何だってでしょうか。NHKの大河ドラマなど見る際に注意してみていると、また違った楽しみ方がでてきそうですね。
私はNHK大河ドラマが好きで良く拝聴しております。高視聴率だった「軍師官兵衛」の24話あたりで、幽閉されていたときに見ていた藤の花を家紋としたくだりがあります。これは幽閉されていながらも、生きることを諦めなかった事を忘れないために、敢えて「三つ藤巴」の家紋を選んだとのこと。・・感動しました。
このように、代々伝わる家紋には少なからず伝わる物語があり、継承することが祖先を敬うことに繋がると思っています。
一人の人間は、父と母から生まれます。その父と母にもそれぞれ父と母がいます。最初の一人から見たら祖父母にあたりますが、その祖父母にも、それぞれ父と母がいて、それはずっと遡って続きます。両親や、祖父母、ご先祖様がいたから、一人の人間がいるのです。
ルーツを辿り、自分がどのようにして存在しているのかを知ることは、自分の先祖や親戚、親との繋がりを感じられ、一人きりで生きているのではないことを感じることができます。たくさんの命が繋がって自分が存在していることに気づき、自分の命の尊さも知ることができます。またこれから引き継いでいく命に、将来教えてあげることもできます。
両親や祖父母、親戚の方が知っていたり、家系図があったりすればすぐに知ることができますが、それができない場合は、戸籍を調べていきます。まずは自分の両親、そしてそれぞれの両親、またそれぞれの両親…と、辿っていきます。
戸籍は本籍地でとるので、本籍地を何度も転籍されている場合はその土地へ行かなければならなく大変ですが、それもまたルーツを辿る旅として、この場所に自分の祖先はいたのかと趣き深い旅になるでしょう。結婚・死亡・転籍などで全員の戸籍が除かれた場合、除籍簿として別に管理されますが、その保管期間は150年とされています。これを過ぎると処分されてしまいます。
家紋を調べることも良い方法です。なぜその家紋になったのか、家紋の持つ意味など調べることで、先祖が近い存在に感じられるかもしれません。最近では自分の家の家紋を知らない方も多いようです。お墓や着物、家の瓦などに入っていたりしますが、なかなか見る機会がないというのも理由のひとつかもしれません。
昔の純和風の家紋額(笑)は、デザインがデザインだけに飾る場所が限られていました。
例えば和室の・・、仏壇の・・、など。
私はその限定されたデザインに違和感を持ち、洋風の家紋額を作ってしまいました・・。 「和」と「洋」を調和させた新しいデザインであり、家紋の原形は崩さずしっかりと継承できる新しい家紋額があれば…これが当店のインテリア家紋額の制作のきっかけです。 ですので、当店の家紋額は飾る場所を選びません。玄関やリビングなど、和洋問わずインテリアとして飾って下さい。 お客様の訪れる玄関に飾れば、家紋の話題で話が弾み、楽しいひと時を演出でるかもしれません。 ポッカリと空いたリビングのソファの後ろ側に飾れば、ビシっっと引き締まって見えるかもしれません。